empopo前史【バングラデシュ編Part2】:アポなしでグラミン銀行へ
こんにちは、empopo代表のyukiです。
突然ですが、みなさんは、「マイクロファイナンス」という言葉をお聞きになったことがありますか?
例えば、バングラデシュ(以下、バングラ)の村で、女性が家族を食べさせていくために、自分で作ったお菓子を販売したいと考えたとしましょう。そのためには、お菓子作りに使う材料を買ったり、それを売り歩くための台車を購入したりする必要がある。その元手には2万円かかる(実際の現地での取材に基づいた話です)。
農村の貧困層の所得のイメージは、月5千円、年6万円※。ビジネスをはじめるのに4か月分の所得が必要になる計算だ。貧しい農村の女性がそんな大金はもっていることは極めてまれだ。
バングラにはこうした女性にお金を貸してくれる金融機関が存在する。その代表格が、グラミン銀行である。少額を貸し付けるので「マイクロファイナンス」という。
ぼくは、バングラに来る前からビジネスで貧困問題に取り組むグラミン銀行の活動に興味をもっていた。それで本も読んでいた。
マザーハウスのバングラでの工場で過ごすこと1週間。この先は何も決まってないからどう動くかは自分自身で自由に決めることができる。
よし、グラミン銀行に行ってみよう、と思った。アポはない。住所をインターネットで調べて本社ビルへ向かう。
(画面中央、はるか向こうに見える白いビルがグラミン銀行本社)
到着し、ビルの中へ入ると、受付でインターンを受け入れる部署がある階数を教えてもらう。エレベーターに乗り込み、教えてもらった階で降りる。近くを歩いている人に「インターンをしたい」と切り出す。「担当者がくるまでちょっとここで待ってなさい」といわれ、席に案内される。
そこで所在なく待っていると、一人の女性が現れた。なんだか日本人っぽいので話しかけてみると、やはり日本人であった。名前はくるみちゃん。聞いてみると、グラミンの1週間インターンプログラムに募集したのだという。
そうこうするうちに担当者がやってくる。「きみは?」「インターンをしたいんです!」「事前に申請はしたのか?」「いいえ、してないです」「・・・」
このときくるみちゃんがいたことは、幸運だったというしかない。「・・・わかった、彼女と一緒のプログラムなら参加可能だが、どうする?」「も、もちろんOKです!(ラッキー!)」「じゃあ、この申請書を今すぐうめてくれ」「はい!」
というわけで、晴れてグラミンの銀行の1週間プログラムにすべりこむことができた。バングラらしいといえばバングラらしい展開と言える。
さて、1週間インターンプログラムはざっくりこんな感じ。
1) グラミン銀行の活動を学ぶ(座学)
2) 実際の活動を見学しに村へ行き、数日間滞在する
3) 系列の縫製工場や、トレーニングセンターを見学する
ここでは2)の様子をご紹介しよう。プログラムのハイライトであり、実際、このパートが一番楽しかった。
村に行く日、ぼくら(ぼくとくるみちゃん)の泊まっているホテルの前に車が迎えにきてくれる。村で一緒に滞在することになる通訳のシャキールと一緒に村を目指す。
その道中(だったと思うのだが)、ガソリンスタンドに寄った。シャキールが言う。「給油中は降りた方がいい」そんなこと今まで聞いたことがない。「ん、なんで?」「爆発するかもしれないじゃん」おーーーーーい!ぼくもくるみちゃんも急いで車から飛び降りたのは言うまでもない。
車は爆発することなく(あたりまえだ)、無事われわれは村へ着いた。宿泊するのは、グラミン銀行の村にある支店に常設されている宿泊所である。
村に到着してそののどかさに、びっくりした。
喧騒のダッカとは天と地の違いだ。ダッカはもうとにかく車も人も多すぎる。
次回は、村でのグラミン銀行の活動の模様をご報告するつもり!
※下記リンクp.12上図にある貧困陥落層を参考にして算出
https://www.fasid.or.jp/_files/publication/DP_17_J.pdf